戯言戯言世迷言  0.12

「グーグルは削除する必要、検索結果の誤情報 欧州司法裁が判断」

と言う見出しで、Reutersのニュース記事が出ていた。

ネット検索で出てくる誤情報の削除を求めたドイツの裁判に関連した記事。

「インターネット上の個人情報の削除を求める「忘れられる権利」は近年、言論の自由やプライバシーの権利を訴える人々の間で激しい議論が行われている。欧州司法裁判所は2014年に「忘れられる権利」を認める判決を下した。」

 

「忘れられる権利」と言うのは面白い表現だと思った。

「人の噂も七十五日」とは日本だけの表現かもしれないが、

世間の人が盛んに話題にするのもわずかな時間で、

やがて三か月も経てばほとんど話題にも上らなくなる。

だが、ネット検索で出てくれば永遠に忘れられないことになる。

誤情報の取り消しは大変な作業を伴っても、しなければならない事なのだろう。

 

その反対に「忘れてはならない事」と言うのもある。

ある本を読んでいてそう思ったのだが、

多くの人が知らない、或いは風化した(させられた)事実のこと。

 

「その昔、日本はドイツとイタリアと三国同盟を結んで世界大戦を戦った。

 最初にイタリアが、そしてドイツが、最後に日本が降伏した。

 戦後イタリアは連合国側として、日本から賠償金120万ドルを取った。

 日本はイタリアと戦ったこともないのに。

   しかもなぜかイタリアはドイツからは賠償金を取っていない。」

 

「トルコと言う国はその昔日本から受けた恩を忘れずにいてくれた。

    明治23年9月に起きたフリゲートエルトゥールル号座礁事故。

 和歌山県串本町の人たちが昼夜を徹して懸命に救助した。

 それから95年後のイラン・イラク戦争時。

 イラクフセイン大統領が「今から48時間後に、イランの上空を飛ぶ飛行機を

 無差別に攻撃する」という声明を発表。

 イランに住んでいた日本人は、首都テヘランの空港から出国を試みたが、

 どの飛行機も満席で搭乗することができない。

 世界各国は自国民を救出するための救援機を出したが、

 日本からの救援機派遣は、航行の安全が確保できないと見送られた。

 そんな時、救いの手を差し伸べてくれたのがトルコ共和国です。

 トルコからの2機の救援機により、日本人全員がイランを脱出することに成功。

 その後に駐日トルコ大使が「エルトゥールル号の事故に際して、

 日本人がしてくれた献身的な救助活動を、今もトルコの人たちは忘れていない。

 私も小学生の頃、歴史の教科書で学んだ。

 トルコでは子どもたちでさえ、エルトゥールル号の事を知っている。

 今の日本人が知らないだけです。と話した。

 

世の中に、こういう話はきっとたくさんあるのだろう。

色々な国があり、色々な事件があり、色々な考え方があるが、

少なくとも忘恩の徒にならないようにありたいと思う。