父の日記

父が亡くなって30年近くが経ってしまった。

既に父の歳をはるかに超えたが、全く足元にも及ばない気がする。

 

当たり前のことだが、私の息子にとって私の父は祖父である。

息子から見れば、私の父母に対するイメージは、

私が抱く私の祖父母へのイメージのようなものではないか。

私が祖父母の遺品をあっさりと片付けられたように、

私には思い出深い父母の遺品も、息子からすればなんでもない事だろう。

 

というわけで私が生きているうちにと、父母の遺品整理はじめた。

何時かは読もうと取りおいていた父の日記が出てきた。

覚えてもいない出来事や、それに対する父母の想いが綴られていた。

言葉を失った。

母の手紙(私宛)も出てきた。

これは、当時読んだ時も泣いてしまったものだが、

この歳になって読み返せばなお万感胸に迫り、落涙止まらず。

 

何時の時代でも、息子と言うものは母にはかなわない。